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稻 恭宏博士(稲 恭宏博士)特別寄稿論文:産經新聞社 夕刊フジ 集中連載 論文【福島から日本復活 低線量率放射線医科学の視点  稻 恭宏博士】

稻 恭宏博士 特別寄稿論文:
産經新聞社 夕刊フジ 集中連載 論文
【福島から日本復活 低線量率放射線医科学の視点  稻 恭宏博士】


 平成30年(2018年)2月14日(水)夜から、産經新聞社 夕刊フジ電子版 zakzak)に、その前日から、新聞紙面でも4日連続(13火~16金)で集中連載された、稻 恭宏(いな・やすひろ)博士の【福島から日本復活 低線量率放射線医科学の視点】が、連日トップニュースとして紹介されました。

 このような人類史的な大きな科学問題分かり易く解説した論文が、国を代表するようなメジャーな新聞社新聞紙面および電子版)に連日に亘って掲載されたのは、我が国の新聞史上のみならず、世界の新聞史上でも、おそらく最初で最後と思われるような大きな出来事であると考えられます。


稻 恭宏(いな・やすひろ)博士

第1話(第1章)
【福島から日本復活】 原発事故後、非科学的な虚偽情報が蔓延
止まらない「国富」の損失


2018.2.14

 私は、福島第1原子力発電所事故の直後から、医科学事実に基づき、一貫して「この事故による、放射線、放射能、放射性物質による人体・動植物への悪影響は、福島でも東北でも日本全国でも、今後も何も生じない」と主張してきた。

 事故翌年には、世界的な放射線医科学や分子病理学、免疫学などの専門家らからなる「国連原子放射線影響科学委員会」(UNSCEAR)や、「国際放射線防護委員会」(ICRP)も同じ結論に到達した。UNSCEARは公式学術報告書を完成させ、国連総会で承認議決されている。

 全宇宙、全地球で、放射線がゼロの場所はない。放射性物質は、人体をはじめ、あらゆる動植物、毎日の食べ物や飲み物、排泄(はいせつ)物などに、もともと含まれている。人体は、母胎で発生間もない胎児から超高齢者まで、体の大きさに応じて、数ベクレルから数千ベクレル(=体の大きな成人では1万ベクレル以上)の「放射能」を持っている。
人間も、その他の動植物も、一生涯、宇宙や大地からの放射線による「全身外部被曝(ひばく)」と、体内に存在する放射性物質からの放射線による「全身内部被曝」を受け続けている。

 そして、放射線はどんなに極微量でも、放射線の(累積)被曝線量に直線的に比例して「がん」の発生率などの害が増えるとする「放射線の人体・動植物影響に関するLNT(=Linear No-Threshold、直線しきい値なし)仮説」(LNT仮説)は、人類史上最悪の非科学である。

 この「放射線絶対悪」仮説は、1946年にノーベル生理学医学賞を単独受賞した米国のハーマン・J・マラー博士が20年代に行った「『ショウジョウバエのオスの遺伝子修復能を失った後の成熟精子細胞』に対する、高線量率の人工発生エックス線照射の影響の研究」から生まれた。

 この研究で使用されたエックス線の線量率は、原発事故後に福島県下の大半で計測されたものよりも約10億倍も強い。発表も、図も表も写真も1つもない、わずか約3ページ半の英文論文である。当時は、遺伝子の実体であるDNA(デオキシリボ核酸)の存在すら知られていなかったのである。

 これに加えて、数千度の熱線と爆風で甚大な犠牲者が出た45年8月の広島と長崎の原爆被害によって、「放射線は、どんなに極微量でも、すべて怖い危険なものである」という、「心情的固定概念」がつくられてしまったのだ。

 原発事故後、非科学的な虚偽情報が蔓延(まんえん)し、福島をはじめとする日本国民を苦しめている。これらは「低線量率放射線医科学」の専門家以外の人々が吹聴したものだ。過剰な放射線防護策による国富の損失も止まらない。
どうしたら、この悲劇から抜け出して、日本と国民が前進できるのか。その科学戦略を、医科学事実に基づいて具体的に述べる。



第2話(第2章)
【福島から日本復活】 非科学「放射線恐怖症」の原因と病理
チェルノブイリと混同、科学的根拠ゼロの仮説に盲従


2018.2.15

放射線医科学における考え方の図(作成・稻博士)

 福島原発事故後、日本国民の多くが非科学「放射線恐怖症」にかかってしまった、主な原因と病理を以下に述べる。

 第1は、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故との混同だ。
 福島原発事故は、原子炉の圧力容器と格納容器が収まっている建屋内の水素と水蒸気の圧が高まって、漏れた水素が引火して建屋が吹き飛んだに過ぎない。チェルノブイリ原発は格納容器もなく、核燃料を含む原子炉本体が爆発した。

 第2は、自然界には存在しない物質(放射性物質)が放出されたと誤解させられた。福島原発から放出された放射性物質は、すべて微量ながら自然界にもともと存在している物質である。

 第3は、「線量」と「線量率」の違いが理解されなかった。
 「線量(Dose)」は、放射線照射・被曝(ひばく)時の放射線の積算(累積)の総量(積分値)に過ぎない数値である。
 「線量率(Dose-Rate)」は、放射線照射・被曝時の放射線の強さ(微分値)であり、放射線医科学における最重要用語である。
 事故後、原子炉建屋外の毎時マイクロシーベルトレベルの線量率の放射線は、人体や動植物に何らかの害が生じるレベルからは約1億分の1以下という、放射線医科学でいう「極低線量率放射線」である。

 第4は、「低線量率放射線医科学」の専門家でない人々による非科学妄言が繰り返された。
 こうした人物は「『低線量』放射線の人体・動植物影響については、専門家でも意見が分かれている」などと恐怖心を煽ったが、福島にはまったく当てはまらない非科学虚構である。健康に影響があるとすれば、福島県下の極低線量率放射線より、約1億倍強い高線量率の放射線を「数秒から数分程度で」照射・被曝した場合の『高線量率低線量放射線』の話である。福島はそうした状況ではなかった。

 第5は、「積算(累積)で100ミリシーベルトの被曝をすると、20年以内に『がん』になる可能性が0・1~0・5%程度増える可能性がある」という、やはり非科学虚偽情報を信じ込まされた。
 これも、科学的根拠ゼロの「LNT仮説」に盲従して、机上の空論で計算してみただけの話である。最新の放射線医科学からすれば、100ミリシーベルトの全線量を1分以内に全身被曝してしまった場合でも、一生涯、このことが原因となって、がんや白血病、リンパ腫などの何らかの健康被害が発生する可能性は考えられない。

 わが国で起こった、非科学的で感情論に流された一連のパニック行動は、世界中の国と地域で常に生じ得る悲劇といえる。わが国も世界も、正しい科学事実の情報によってのみ、救われるのである。



第3話(第3章)
【福島から日本復活】 科学的に必要ない「強制避難」やいわゆる「除染」
自殺…悲劇の原因にも


2018.2.16

 核実験や原発事故、放射性物質拡散などとは関係なく、日本では約2人に1人が「がん」になり、約3人に1人が「がん」で死亡している。

 放射線医科学の専門家なら、毎時100マイクロシーベルト前後以下の「極低線量率放射線」「極低レベル放射能」の環境では、内部被曝(ひばく)と外部被曝の両方を考慮しても、まったく人体や動植物への悪影響はないことを、必ず知っている。

 福島原発事故の場合、体内の代謝機能や、排泄(はいせつ)機能の方がはるかに上回るため、放出された放射性物質が体内に残ることもない。

 ところが、福島県民の方々は、心身ともにつらい思いをされている。

 生活不安や家族・友達などと離れ離れになったストレスをはじめ、食生活の乱れによる栄養バランスの崩れ、屋外での活動量の減少による乳幼児や小児の発育・発達の抑制、乳幼児から高齢者までの全身の体調不良・精神神経症など、各種疾患も生じている。

 これらは、政府が科学的には必要がなかった「強制避難」や「強制移住」をさせたことが、悲劇の原因となっていることが多い。自ら死を選ばれた方もいる。残念というしかない。心より、ご冥福をお祈りしたい。

 原発事故後、福島で徹底して行われた、いわゆる「除染」も、いわゆる「放射能汚染」と同様、人類史上最悪の非科学といえる「LNT仮説」(=放射線はどんなに極微量でも、放射線の(累積)被曝線量に直線的に比例して『がん』の発生率などの害が増えるとした仮説)に検証なく政府が従ったことによるものだ。

 非科学用語である、いわゆる「除染」は、科学的に正しくは「放射性物質除去」「放射性物質含有土壌除去」などである。

 長期目標に設定された年間追加被曝線量が1ミリシーベルト(毎時約0・114マイクロシーベルト)以下というのは、自然放射線の世界平均である年間約1・2ミリシーベルト(毎時約0・137マイクロシーベルト)を下回る、狂気の非科学数値といえる。

 日本独自の「放射能規制値(ベクレル/キログラム)」も、最新の「低線量率放射線医科学」の学術知見からすれば、ケタ違いに厳し過ぎる。

 福島周辺の、いわゆる「除染」のために3兆円超の予算が計上され、さらに莫大(ばくだい)な国費が国民の税金から投入されようとしている。

 全国の原発停止による燃料費増加などで、年間約4兆円もの国富が、化石燃料の購入費として国外に流出しているという。これに、企業の海外移転による経済損失なども含めると、非科学放射線恐怖情報により、すでに100兆円以上もの国費が失われていると推算できる。

 本来なら、これらはすべて、国民の生活を改善するために使われるべき国家財産である。



第4話(第4章)≪最終回(最終章)≫
【福島から日本復活】 低線量率放射線医科学センター設置を
莫大な国家収入、地球環境再生 「千載一遇」チャンス


2018.2.19

 近年、悪化の一途をたどっている地球規模の環境異常で、世界中で多くの人命が奪われ続けている。地球温暖化を引き起こす二酸化炭素などの増加で、全人類が存亡の危機に立たされている。

 WHO(世界保健機関)の調査によると、化石燃料の燃焼による大気汚染が原因で、世界中で毎年300万人以上が亡くなっている(=このうち、100万人以上がチャイナ国内)。

 地球の未来を考え、人類は科学的かつ真剣に、エネルギー問題の解決策を考えなければならない。

 核分裂を起こすウラン235の1グラムは、何と石炭約3トン、石油約2000リットル分という、ケタ違いのエネルギーを生み出すことができる。

 わが国では古来より、天然放射能泉(ラジウム温泉)が湯治(=入浴や飲泉など)に利用されてきた。各種放射性物質から放出される放射線であるアルファ線や、ベータ線、ガンマ線の「全身外部被曝(ひばく)」および「全身循環内部被曝」が、体にいいと伝承されてきた。これらは、低線量率放射線・低レベル放射能の恩恵に他ならない。

 福島原発事故に伴う、いわゆる「指定廃棄物」(=いわゆる「除染」で生じた『放射性物質含有土壌』など)の保管・処理が問題となっているが、画期的な解決方法がある。

 低線量率放射線が人体や動植物に与える素晴らしい影響を利用した、最先端の「低線量率放射線医科学センター」を設置するのである。医科学事実を世界に発信して、世界中の人々の健康と長寿に貢献すればいい。

 「指定廃棄物」をはじめ、世界中の原発や産業・医療界から出た放射性廃棄物や、核兵器に含まれる放射性物質は、「低線量率放射線医科学」の最新の知識を用いれば、再資源化して有効活用することができる。これは、高レベルから低レベルまで対応可能である。

 全世界の放射性廃棄物の処理問題も解決され、地球環境の再生にもつながる。保管施設をつくっても、半永久的に何の解決にもならない。不要・危険とされていたものを、最大限資源として活用するのである。

 日本が今、「低線量率放射線医科学センター」の設置を決断すれば、莫大(ばくだい)な国家収入が生まれるはずだ。真に国民のための、健康や福祉、教育、出産・子育て支援、国防、食糧・エネルギー安全保障、科学技術、インフラ整備、災害対策、自然環境改善、芸術、国際貢献などに潤沢な資金が確保できる。

 「原子力規制委員会」と「原子力規制庁」も、「原子力安全活用委員会」と「原子力安全活用庁」に改称すればいい。

 「千年に一度」といわれる大災害を乗り越えて、日本は世界を主導する国家になれる。文字通り、千載一遇の、そして最後のチャンスの時なのである。 =おわり



■稻 恭宏(いな・やすひろ)博士 1967年、栃木県生まれ。東京大学で基礎医学・臨床医学などの医学全般を学び、同大大学院医学系研究科病因・病理学(免疫学)専攻博士課程を修了、博士(医学)。同大医科学研究所客員研究員などを歴任し、現在、東大医学博士で、一般財団法人「稻恭宏博士記念低線量率放射線医科学研究開発機構」理事長。英オックスフォード大学や米国などでも講義を行う、低線量率放射線医科学・低線量率放射線療法の第一人者。


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「千載一遇」チャンス



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