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稻 恭宏博士(稲 恭宏博士):論文【≪低線量率放射線医科学概論≫「低線量率放射線医科学の教育」が日本を復活させ世界を救う】

稻 恭宏博士:
論文【≪低線量率放射線医科学概論≫
「低線量率放射線医科学の教育」が日本を復活させ世界を救う】


「放射線教育」別冊 放射線教育で国の復興を
~放射線教育フォーラム 2011年度成果報告~
2012年3月 pp.51-57


≪低線量率放射線医科学概論≫
「低線量率放射線医科学の教育」が日本を復活させ世界を救う


                        東京大学 医学博士(病因・病理学/免疫学)
                        (一財)稻 恭宏博士 記念 低線量率放射線
                        医科学研究開発機構 最高栄誉総裁
                         稻 恭宏(Yasuhiro INA, D.M.Sc., Ph.D.)

 ICRP(国際放射線防護委員会)の1920年代の発想のままの自然界レベルの極低線量率放射線・極低レベル放射能ですら絶対悪であるとする『放射線・放射能に関するLNT仮説(Linear No-Threshold Hypothesis)』が、今回の福島原子力発電所事故(以下、福島事故)後の各種の風評被害、国民混乱、復興遅延、国家衰退等の諸悪の根源であることが日に日に明らかになり、世界で初めてその異常なまでの科学的矛盾が明らかとなった。
 全地球上、全宇宙で放射線・放射能がゼロの場所はないし、人体自体も『数千ベクレルの放射能』を持っており、一生涯、全身内部被曝をし、全身から放射線を出し続けている。したがって、日本の「数千ベクレルの放射能も怖い」という非科学的な風評被害のままだと、大好きな人と握手もハグもできなくなり、亡くなった人の遺灰や遺骨を埋葬することすらできなくなってしまう。
 ICRPのLNT仮説に従うならば、世界中の各国政府は、世界各地にある高自然放射線地域や天然放射能泉周辺地域も直ちにバリケード封鎖しなくてはならない。
 また、国際宇宙ステーション(ISS)内の宇宙飛行士たちは、毎日24時間、地上の約300倍の『線量率(Dose-Rate)』及び『線量(Dose)』の放射線を浴び続けているが、人体への悪影響は何もなく、無重力による筋骨格系の機能低下を除けば、健康状態や医学データは、宇宙へ飛び立つ前よりも全指標で改善されていることが、NASA(アメリカ航空宇宙局)などによって公表されている。なお、地上では、有能な植物学者らがどのような方法を用いても全く発芽しなかった樹齢1,200年の天然記念物などの数種類の桜の種を国際宇宙ステーションに持って行き、数か月の滞在の後に地上に戻したところ、遺伝子の突然変異等の生物学的異常は何もなく、すぐに発芽して順調に成長し、『宇宙サクラ』として各地の学校や公園などに植えられ続けているという。
 外部被曝及び内部被曝時の放射線が人体や動植物に与える生体影響を評価する際に、放射線医学で最も大切なのは『線量率(Dose-Rate)<瞬間の放射線の強さ>』であり、照射・被曝する時間の概念が欠如した放射線の積算量(累積量)である『線量(Dose)』にはあまり意味がない。少しでも放射線医学の知識がある人なら、高線量率(High Dose-Rate)の放射線は危険だが、線量率(Dose-Rate)が下がって低線量率(Low Dose-Rate)になるほど放射線の危険性は激減し、自然界レベルの毎時100マイクロシーベルト以下くらいの極低線量率(Extremely Low Dose-Rate)の放射線では、全く人体や動植物への悪影響はなく、むしろ有益な効果のみがあることくらいは誰でも知っている。
 この度の福島事故の後、俄かに恐怖心を煽っていた放射線医学の非専門家である原子力工学や放射線測定、放射線防護の研究者や原子炉技術者、一般人などの中には、内部被曝も外部被曝も「低線量」でも危険だと執拗に言っていた人たちもいたが、この根拠は、シャーレや実験装置の中などの免疫細胞や支持細胞、養育細胞、神経細胞、各種体内ホルモン・サイトカインなどの傷んだ細胞を除去したり助けたりする細胞や生体成分などが全く存在しない極めて人工的な環境下における、人工細胞膜や不死化させた細胞株(人工的にがん細胞化させて半永久的に死ななくした細胞)を人工培養した細胞などに高線量率の放射線を一瞬で照射した「低線量」<高線量率の放射線であっても、一瞬で照射した場合、その照射線量(被曝線量)は「低線量」となる>放射線の影響を見た実験結果や、十分な組織、臓器、全身レベルの医科学的指標が測られていない結果などであった。
 前者のような実験は、細胞内シグナル伝達などの細胞生物学レベルの実験としてはいいかもしれないが、人体や各種生物への影響を検討する際には、あまり役に立たないことが多い。後者の場合は、その後に、全身医科学的な研究を行って、医学的にその現象が全身レベルで確かなものかどうかを確認しなくてはならない。
 また、アイソトープ(放射性同位体)を用いた実験をしている研究者らが、殊更、内部被曝の恐怖を煽っていたが、これも放射線医学、特に低線量率放射線医科学的には、今回の福島事故とは放射線の線量率・放射能強度・放射性物質の量が桁違いであり、あまりにも稚拙で初歩的な間違いであった。
 小児甲状腺がんがチェルノブイリで発生してしまったのは、炉心本体が爆発したため、一気に大量の放射性ヨウ素131が飛散してしまったことと、安定型ヨウ素を多く含む海藻類をほとんど摂取できていなかった内陸国旧ソ連の子供たちは、甲状腺ホルモンの産生に必要な甲状腺内安定型ヨウ素が慢性的に欠乏状態にあったため、甲状腺内に放射性ヨウ素131が短期間に大量に吸収されてしまったことの2点が医学的理由である。この2点とも今回の福島には当てはまらない。
 海洋国家である日本の人々は、内陸国ロシア(旧ソ連)の人たちとは食生活がかなり異なり、母親の胎内にいる時から、母親からの血液などを介して、海産物(特にワカメやヒジキなどの海藻類)の安定型ヨウ素(ヨード)を十分に摂っており、甲状腺に放射性ヨウ素は吸収されにくくなっている。安定型ヨウ素の摂取が少ないと体内の甲状腺ホルモンが低下して体調が悪化するが、医療の発達した日本では、そうなると大抵の人は医療機関を受診するので、早期に安定型ヨウ素剤の投薬を受け、甲状腺と甲状腺ホルモンの状態を元の正常な状態に戻している。日本の人々の場合、逆に、甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)や甲状腺がんの治療で、放射性ヨウ素を甲状腺に取り込みたい時には、食事制限をして、甲状腺内の安定型ヨウ素を減らさなくてはならないほどである。したがって、今回の福島事故による放射線・放射能のレベルは自然界の範囲内であったことと相俟って、福島では小児甲状腺がんの兆候も認められていないのだと考えられる。
 今回の福島事故の場合、体内に残るほどの放射性物質の飛散量は報告されていない。各報道がなされているが、福島県の方々の全身医学データ、血液データ、子供たちの甲状腺機能などには、医学的に精査した結果、放射線による害は何も起きていないと報告されており、生活不安や家族・友達などと離ればなれになったストレスや、食生活の乱れによる栄養バランスの崩れ、運動量や活動量の不足による体調不良などにより、乳幼児や小児の正常な発育・発達の抑制が心配されている。
 人体は、現在、全身約60兆個の細胞から成り立っていると推定されているが、放射能事故とは関係のない通常の生活で、全身のほとんどの細胞において、細胞1個当り、毎日7万~100万箇所の遺伝子の傷が生じ、毎日5,000個から1万個のがん細胞が生じては、5,000勝0敗、1万勝0敗の戦いを繰り広げている。
 人体には優れた遺伝子修復機能があって、これらの遺伝子の傷をほとんどすべて修復しており、もしこれを掻い潜った細胞があっても、アポトーシス(細胞の自爆死)や強力な多重免疫システムなどによって、これらの細胞はがんになる前に退治されてしまう。放射線医学者の間では常識だが、100ミリシーベルトの全線量を一瞬で全身に浴びたとしても、遺伝子の傷は、細胞1個当り僅か200箇所以下くらいしかできない。
 すなわち、福島事故後の福島のように、1時間に数マイクロシーベルトから数十マイクロシーベルト程度では、全く遺伝子の傷は考えなくて大丈夫だということである。遺伝子に傷もできないのだから、発がんに結び付く訳がない。超高線量率の放射線を一瞬で被曝させられた広島と長崎の原爆被爆(被曝)者でも、遺伝的な障害は、子、孫、曾孫の代まで一例も認められていない。福島事故後の福島のような極低線量率放射線、極低レベル放射能の環境で、遺伝子の突然変異や遺伝的障害など起こり得るはずがない。
 福島の毎時マイクロシーベルトレベルの放射線、そのくらいのレベルの放射線しか出せない放射性物質しか含んでいない放射能レベルの土壌、海、川、湖、地下水などは、外部被曝、内部被曝とも、何の医学的問題も起こしようがない。
 ある危機管理のトップの方は、毎年福島県内の同じ桃農園から桃が届くそうだが、福島事故以前の桃は少し酸味があって、この少しの酸味も苦手で、ほとんど桃が食べられなかったそうだが、福島事故後に実った同じ桃農園の桃は、大変甘くて酸味が少なく、届いてすぐに一箱を全部一人で食べてしまったそうだ。他にも、福島事故後、米、秋刀魚などをはじめ多くの農水産物で豊作、大漁で、同様の現象が起きているとのことである。日本の農水産物は世界最高品質である。
 福島の毎時マイクロシーベルトレベルの放射線の外部被曝と内部被曝(呼吸と食物の摂取)では、遺伝子の傷すらできないのだから、何年何十年経ってもがんになるはずがないし、何の健康障害も起きるはずがない。今回、福島県全域では、人体や動植物に何の放射線の影響もないか、かえって多少の予防医学・健康長寿効果があるかのどちらかである。
 がんなどの病気の発見のために行う医療分野での事例だが、CT検査は1回で7~30ミリシーベルトの人体広範囲の外部被曝を受けるし、PET検査は1回で2~3ミリシーベルト(外部被曝と内部被曝を合せた自然放射線の世界平均である、年間2.4ミリシーベルトと同程度)の全身内部被曝を受けるが、人体には何の悪影響もない。
 ICRPが半世紀以上前から根拠としてきた、科学的事実に基くものではなく、あくまで自然界レベルの放射線・放射能でもゼロに限りなく近付けるという非科学的な放射線防護の考え方は、1946年のノーベル生理学医学賞の単独受賞者であるアメリカのハーマン・J.・マラー博士が1920年代に行った「ショウジョウバエのオスの遺伝子修復能を失った後の成熟精子細胞」に対する「高線量率(放射線の線量率が福島事故後の福島県の約1,000万倍~1億倍)エックス線照射」の影響の研究や、実際には数千度の熱線と爆風で多くの犠牲者が出た1945年8月の広島と長崎への原爆投下によって生まれた「放射線はすべて怖い危険なだけのものである」という心情的固定概念から作られてしまったものであった。
 細胞分裂もしない、したがって、発がんも絶対にすることがない(絶対がんになることがない)、ショウジョウバエのオスの遺伝子修復能を失った後の成熟精子細胞に、人工的に発生させた高線量率のエックス線を照射した際に初めて出現した突然変異のデータが元になって、放射線はゼロから少しでも出たら、すべての動植物において、発がんなどの害のみが放射線の被曝線量(累積被曝線量)に比例して増えるだけである、という現代の放射線医学からすれば完全に間違えているICRP基準が残存していただけなのである。
 同じショウジョウバエでも、未熟な精子細胞にも体細胞にも遺伝子修復能があり、人間を含むその他の生物にも遺伝子を修復する機能が備わっていることは、その後の多くの放射線生物学研究の成果から明らかになっている。
 地球には太古から常時、大地から宇宙から、全地球上で自然放射線が遍く存在し続けており、その「放射線の線量率(放射線の強さ)」には世界中で数千倍の幅がある。
 福島事故後、「自然界には存在しない放射性物質が放出されました」などと科学的事実でない恐怖心を煽る間違えた報道が繰り返し行われたが、ストロンチウム90、ヨウ素131、セシウム134、セシウム137、プルトニウム239などの福島原子力発電所から放出された放射性物質は、すべて微量ながら自然界に元々存在している物質である。また、「累積で100ミリシーベルトの被曝をすると、20年以内にがんになる可能性が0.1~0.5%程度増える可能性がある」という報道も、ICRPの非科学的なLNT仮説に盲従して机上の空論で計算してみただけの話であって、医学的には、この100ミリシーベルトの全線量を1分以内に全身被曝してしまった場合でも、がんや白血病になる可能性はまず考えられない。放射能事故とは関係なく、日本では毎年、二人に一人ががんになり、三人に一人ががんで死んでいるのである。
 同様に、「生涯累積で4シーベルトの被曝で半数の人が、生涯累積で7シーベルトの被曝で全員が、数週間以内に死亡」という報道も、放射線医学的には、この4シーベルトまたは7シーベルトの全線量をせめて5分以内に全身被曝してしまった場合の話であると考えられるが、かなり過大に評価されていると考えられる。
 以前、茨城県東海村のJCO事故で不幸にして亡くなってしまったお二人の作業員の方は、僅か3秒以内に10シーベルト(1,000万マイクロシーベルト)という超高線量率の放射線を全身被曝してしまったと報告されている。今回の福島事故では、離れた場所からガンマ線の線量率を計測できるガンマカメラで測定された最大の線量率でも、このJCO事故の1,200分の1である1時間(3,600秒)当り10シーベルトであったと報告されており、短時間に数シーベルトのベータ線を足に浴びた三人の作業員の方も、当初はベータ線熱傷かと騒がれ、念のため放射線医学総合研究所に搬送されて精密検査が行われたが、三人とも皮膚症状も全くなく、通常の火傷すら負っていなかったことが、退院時の記者会見で説明された。
 福島事故があった平成23年(2011年)末の福島原発本体建屋直前の海でさえ、海面で毎時0.06マイクロシーベルト、放射性物質が一番溜まっているという海底で毎時2.5マイクロシーベルト、空間線量率も自然放射線の世界平均である毎時0.14マイクロシーベルトの半分の値である毎時0.07マイクロシーベルトであり、福島沖を含む東北から関東までの漁業海域の海水の放射能レベルも福島事故前とほぼ同じレベルであり、生物濃縮等も十分考え合せた安全基準である法定規制値の約1,000分の1程度であったことが、文部科学省や東京海洋大学などの調査報告によって明らかにされている。
 放射線・放射能・放射性物質とはこんなものなのである。放射線医学的にきちんと冷静に判断すればいいだけのことである。今回の福島事故後の報道は、あまりにも非科学的に騒ぎ過ぎ、恐怖心のみを煽り過ぎたのである。
 私たち人間は、原発事故とは関係なく、食物中に含まれる放射性カリウム40、放射性炭素14などの放射性物質を体内に一生摂取し続けながら生きている。人体は、母体の中で発生間もない胎児から超高齢者まで、体の大きさに応じて、自然放射能を数百ベクレルから数千ベクレル(体の大きな成人では1万ベクレル近く)持っている。微生物から哺乳類まで、自然放射線を遮断したり、体内への放射性物質の取り込みをなくしてしまったり、放射性物質の体内の蓄えをなくしてしまったりすると、体の正常な機能が維持できなくなってしまい、人間でも同様の状態になってしまうと考えられている。
 天然放射能泉などにおいて、各種放射性物質から放出されるアルファ線、ベータ線、ガンマ線の全身外部被曝及び全身循環内部被曝が体に良いというのも、低線量率放射線・低レベル放射能の恩恵に他ならない。
 今問題になっている福島原発から放出された放射性物質を含んだ浄水場の上水製造時発生土、下水処理場の汚泥、各地の放射性瓦礫、放射性土壌などから出ている放射線は、人体や生物に何の悪影響もない極低レベルのものであるが、これらは再資源化して有効活用することができる。さらに、福島原発敷地内の放射性瓦礫や放射性廃棄物などは、その放射能レベルを調整することによって、貴重な資源として再利用でき、これらの科学技術を用いれば、莫大な国家収入が生まれ、全世界のすべての放射性廃棄物の処理問題が解決され、地球環境の再生もできてしまう。そして、人類史上唯一の戦時被爆(被曝)国である日本が、増税も国債の追加発行も必要なく、世界一豊かな平和的首席国として復興復活することができるのである。


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Author:Fact Check for Japan
日本と世界の人々の生活を持続的に【平和で豊かで健康長寿なもの】にするために、新聞、テレビ、ラジオ、ITメディアなどが報道しない、解説できない【時事ニュース、福島原発事故、エネルギー、医科学/生命科学、医療、健康長寿、地球環境など】のテーマについて、史実・医科学事実に基づいて、可能な限り分かり易く解説・提言しています。

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